塩野七生 新潮社
塩野先生のローマ人の物語が今年いよいよ完結ですね。15年の長きに渡り、書き続けてきたのは、もう偉業というしかないですね。
それに、面白い。
自分は、13巻まで、「全ての道はローマに通じる」のインフラについて書かれたもの以外は、読んできた。早く14巻も読まなくてはいけいと思っているのですが、なかなか読みにくい時代に突入してしまったのでね。まあ、年内には読みたいと思っています。
「ローマ人の物語」の中で、どの巻が面白いと質問されたなら、多くの人は、ユリウス・カエサルの巻と答えるに違いない。
自分もそう答えるし、何故カエサルが天才なのか?ということを、塩野先生が、微に入り細に入り、キケロの現代まで残った書簡、文集などを使って答えてくれている。
天才の話は、面白い。
カエサルは、女をくどくのも、借金するのも、絵になっているし、若いときのおたずね者としての諸国放浪の話も面白いし、ガリアでの異民族の交流も、宇宙人との遭遇みたいで、どきどきする話になっている
そして、。政治をかく行う。相手をどう取り込み、懐柔するのかも納得させるものがある。
凱旋式に白馬に乗っている中で、「ハゲ」と言われるところも、普段兵士、庶民に愛されている証拠で、ほのぼのさせるものになっているし、クレオパトラとの恋愛も、生涯に花を添えている。
本当にみんなに愛された英雄だと解るね。
歴史家モムゼンが「ローマが生んだ創造的天才」と言ったけれど。それのみならず、人類が生んだ最高の天才かも知れない。
この中でも、最も天才だと感じさせて面白い部分は、軍事的な天才の部分。
ここが、面白いのなんの。この「ローマ人の物語」での一番面白い部分かも知れないね
歴史書だから、カエサルが、なぜそういう戦いができたのかの前史があって、それを踏まえた意味でのカエサルの天才なんだね
その前史が書かれているのが、ローマ人の物語の2巻「ハンニバル戦記」
そこでの内容は、
ローマは、第二次ポエニ戦争で、カルタゴとの戦いで、天才ハンニバルの為に、未曾有の危機に陥った、しかしローマは、国家が一致団結して戦い。最終的には、ローマにも天才スキピオが現れ、勝つことができた。その顛末がこの「ハンニバル戦記」の内容。
ここで、塩野先生は、図を駆使して、戦術について解説してくれている。
その中でも、アメリカの陸軍士官学校でも学習素材になっているカンネーの戦いの場面は、圧巻。手に取るように、人数では少ないはずのハンニバル軍が、数が多いローマ軍を包囲、殲滅していった状況が描かれる。
この場面は、人類の歴史に後世まで語られ研究され続ける事件だね。
凄い臨場感だ。
なんで、ハンニバルが天才だったのかが、この巻を読めば解るね。
下手な解説をしたら、興ざめになるので、興味がある人は読んでね。
軍事的天才のアレクサンダー大王、ハンニバル、スキピオ、カエサル
先人の戦略を巧みに取り入れつつも、それを発展され、兵士を鍛え、采配する。
この戦術、戦略の構想は、天才のみが扱えるものなんだね。天才は、先人のやり方をそのまま踏襲しない。その変え方が絶妙。
キーワードは、騎馬軍。機動力だね。この機動力をどう使うかによって、勝敗が分かれるのだね。
現代では、戦車の使いかた。
カエサルは、ポンペイウスとの戦いで、この絶対必要だった騎馬力が相手より決定的に劣っていたし、兵士の数でも劣勢。
果たして、どうこの劣勢を挽回して、勝利したかは、カエサルの巻を読むか、カエサル自身が書いた「内乱記」を読めば解るし、天才とはかくあるべきものなのか、ということが少し理解できて、面白いね
このブログでは、余りにも面白い謎なので、種明かしはしないでおきます。
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