この前読んだ「ハンニバル・ライジング」の作者の略歴をみていると、トマス・ハリスは、テキサスのベイラー大学出身とある。
ベイラー大学とは、優秀な大学らしいが、アメフトファンの自分は、即ベイラー大学出身の偉大なアメフト選手を思浮かべた。
マイク・シングレタリー
殿堂入りした名ラインバッカー。
80年代から90年代前半にかけて活躍したシカゴベアーズの守備の中心。
こういうように書いてしまえば素っ気ないのだけど、80年代中葉は、シカゴのディフェンスはその時の守備コーディネーターのバディ・ライアンが作り上げた天才的守備である46ディフェンスの中心選手だ。
昨季カンファレンスで優勝したシカゴベアーズの同じくラインバッカーのブライアン・アラッカーと、このシングレタリーはよく比較されるね。
超人的な運動能力を持つアラッカーは、デフェンスライン並みの体格とデフェンシブバック並みのスピードを兼ね備え、中央の位置から前後左右どこでも現れる怪物だし、その読みも素晴らしく。定石を無視した信じられないプレーを連発する。
一方のシングレタリーは、ラインバッカーとしては小柄な体格で、取り立てて運動能力に優れた選手とは言えなかった。
では何故あれだけ輝くことができたのか、それはライアンの守備にマッチし、相手の意図を読む能力においてだ。
もちろん最も苛酷なポジションでありながら、目立たないポジションのインサイドのラインバッカーは、ブルーカラーのポジションと言われている。
そういう属性を完璧にこなした選手でもあったね。
あの信じられないくらい凄かった1985-1986年時のスーパーボウルのペイトリオッツ戦のそのデフェンスの輝きは、最も素晴らしいアメリカンフットボールで起こった出来事の一つだね。
46デフェンスは、超攻撃的守備で、ほとんどのディフェンダーが前線に上がってしまい。その後ろをランプレーもパスプレー共々、とんでもない大きな陣地をシングレタリーは守らなくてはいけなくなった。相手QBが、駆け上がった守備選手の後ろを狙ってパスなりランプレーをするなりしようとする、駆け上がったディフェンダーが相手を潰すのかどっちが早いかという、いつもスリリングば瞬間を展開していた。
その守備が余りにも素晴らしかった、というよりある意味、むちゃくちゃなんだけど、それを構築したライアンは、その後いろいろなチームでヘッドコーチとして採用され、その度に徹底した守備重視、攻撃無視というチームを作り上げ、多大な観客の期待と失望を提供した。
面白いことに、ライアンを慕っていつも、ライアンが新しいチームに行くと付いていく選手がいたりするのも面白いところだったね。麗しき師弟愛といったところか、そういうところも含めて、色々な話題を提供した人だった。
まあ、ライアンの守備がシカゴで成功したのは、シングレタリーの存在が大きかったということだね。
そのシングレタリーの出身がベイラー大。
弱小チームから、こういう偉大なスターを生んだんだから感慨深いね。
知力でプレーする選手だから、この優秀な大学出身だというのも頷けるね。
シングレタリーはシカゴでは、ニックネームでサムライと言われていた、小柄な体格とつぶらな瞳がそういうように言われる理由だったらしい。
「ハンニバル・ライジング」で日本人が出てくるのも、少しは一因があるかもね。
それと補足するけど、カレッジフットボールのカンフェレンス統合問題で、この弱小チームのベイラー大学フットボールチームは、ビッグ12という大きなカンファレンスへ入れられたらしいね。
このビッグ12の中で唯一の私立のお坊ちゃん大学。
他のチームは全て公立。
ネブラスカ大学やテキサス大学など、西部の荒くれ者が集まる大学を相手にしなくてはいけない。
狼の中に子羊が一匹というような気がする。
更に言えば、このビッグ12で行われるアメフトは、日本のメディアに載ることは全く無いが、日本人が想像するプロで行われるアメフトとは異質なものだ。
ランプレー中心なんだね。
それもカレッジフットボールでしか行われない。オプションという攻撃パターンを頻繁に採用する。
ゴリゴリ地上戦を展開。肉と肉のぶつかり合いというか、これがアメフトの華とも言えるが、ここで優秀な選手はプロでは余り採用されない。でも徹底してこういうプレーを選択する。
こういうのもアメフトで、こういうものこそアメフトとも言えるわね。
その中で現在王者のネブラスカ大学なんか、それだけで畏怖を覚えるわね。
こういうのも、日本で放送して欲しいよね。
血が騒ぐというようなものなんだしね。
最近のコメント