貧家の子女が………

貧家の子女がその両親………  スウィフト(1667ー1745)

スフィフトは、アイルランドにおける員民の増加に対する独自の意見を持っていた。それは、扶養していく能力のない両親から生まれた子供が大多数を占めており、その子供たちを養っていく能力が国にはない、泥棒をして食っていくにも6才くらいにならないとできない、こういったことで、真の意味で子供は役たたずである。そのくせ毎年おびただしい数の子供が産まれてくる。だから、いっそのこと1才児くらいで肥らせて、食肉として利用したらいいのではないか。そうすれば、1才くらいまでは、母乳育ち金はかからなしいし、子供は美味なのでそれなりに高い金で売れるので両親の生活にも助かる。そして新たに子供を産み続ければどんどん儲かるというわけだ

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まあ、究極の恐怖といったところかな。でも自分は余り怖くないので5くらい

子供を食肉にせよ。と冗談か皮肉にせよ出たくらい、当時は社会に貧民が溢れ、今のアフリカみたいな状況がヨーロッパでもあったのだね。貧民は移民しなくては生きていけない時代だったのだね。今、アジア、アフリカはそういった時代なのだろうけど、解決策として子供を食べろなんて、冗談でも言えないよね

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ごくつぶし

ごくつぶし  オクターブ・ミルボー 1886年作

フランソワ爺さんは年のため働けなくなった。翌日妻は、爺さんに食事を出さなかった。働かざる者食うべからずという信念のためだった。爺さんは、かって自分も自分の両親や、乳をたくさんだしてくれた羊にそのような仕打ちをしたことを思い出し、運命を受け容れ、ベッドで静かに寝てそのまま亡くなった。妻は爺さんの死後、あの人は男らしい人だといって、金持ちが入るような墓に入れてやろうと、神父さんに言った。

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うううう、怖いぞ。9くらいあげてもいいかも

もの事の優先順位が狂っているのが、本当に怖い。全然おかしいことしたと思っていないことが怖いねえ。このおばさんは、自分が働けなくなっても甘んじて運命を受け容れるに違いないから、余計怖いねえ

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マウントドレイゴ卿の死

マウントドレイゴ卿の死  モーム(1874-1965)

オードリン博士は精神病医だった。マウントドレイゴ卿は患者だった。マウントドレイゴ卿は外相で生粋の貴族で鼻持ちならない俗物だった。自分より身分の低い者を見下す人物だった。マウントドレイゴ卿は、最近変な夢をみて悩まされていた。それは、父親が坑夫だった、オウェン・グリフィスという下院議員がいつも出てきて、マウントドレイゴ卿は恥ずかしい姿を絶えず見られるというものだった。翌日グリフィスに会うとそのことを知っているみたいで気持ち悪いと。オードリン博士は原因をマウントドレイゴ卿がグリフィスに何かしたに違いないと考え、尋ねたが、マウントドレイゴ卿はなかなか答えなかったが、ついに国会で田舎から出てきたグリフィスの両親その他支持者の前で、徹底的に愚弄するような答弁を行ったと言った。後で遣りすぎたと思っていると答えた。オードリン博士はグリフィスに謝罪するよう言った。マウントドレイゴ卿がある時、診察になかなか来なかった。ついに、マウントドレイゴ卿は夢の中でグリフィスを殺してしまい、夢遊病みたいになって駅から転落して亡くなった。実際のグリフィスも急病にかかって亡くなった。

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余り怖くないし、感じではちょっと古いネタの話かも 3くらいかな

でも、モームは語りが上手いので、面白い小説になっているね。精清廉潔癖に生きてきたが、他人を自分よりも価値のない者と思っているマウントドレイゴ卿は、叩き上げのグリフィスを内面の深いところで恐れていたのだね。グリフィスも生来の貴族のマウントドレイゴ卿に恐れを抱いていて、その二人は深いところでリンクしたんだね。傲慢と怯懦は最も遠い感情と見られるけど、実は一番近い感情なんだね

オードリン博士の口を借りて、モーム自身が小説家に対する考えを述べているね。それは、

小説の作者たちは、彼等の書く男や女がほんとうにこの通りだと思っているのか?人間がこれほど複雑で、どれほど意外で、彼等の魂の内部にどんな矛盾撞着した要素が共存しており、どんな暗い邪悪な争闘、相克に彼等が悩まされているか、作者たちがもし知ったら!

つまるところ、他人の内面など軽々しく分かるものではないということ。

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ひも

ひも  モーパッサン  1883年作

百姓のオーシュコルヌさんは、市場で短いひもを拾った。その場面を、かねてより仲が悪かった馬具師のマランダさんに見られた。その日市場で財布の落とし物があり、拾った人は届けるようにとの連絡が市場にいた人にあった。早速、マランダさんがオーシュコルヌさんが拾ったに違いないとの噂話を流した。オーシュコルヌさんは、拾っていないと必死の申し開きをしたが、みんなから信じてもらえず、拾った人が見つかっても、その拾った人と結託していたのに違いない村の人々は、囁き合った。オーシュコルヌさんは、死ぬまで自分は関係ないと言ったが、最後まで村の人に信じてもらえなかった。

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怖くないが、ある意味頑固な村人たちは、変な意味で怖いので、2くらいにしておこう。

これは、怖い話というよりも、村社会の前近代性を告発した小説ではないのか

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罪のあがない

罪のあがない  サキ(1870-1916)

オクタビアン・ラトルは、快活で元気な男だったが、自分の家のひよこがたびたび惨たらしく殺されていたのを、ある家のねこの仕業と思い。その家の主人に猫を殺す了解を得て、その猫を殺した。しかしその猫の飼い主の子供3人がその現場をしっかり見ていた。そして猫のしわざではなく鼠の仕業だった。オクタビアンはチョコレートで懐柔しようとしたがだめで、自分の2才になる子供を仲立ちにして仲直りしようとしたが、オクタビアンが目をそらした隙に子供を浚って豚の腐った藁の中に投げつけた。オクタビアンが直ぐ入ったが、前になかなかいけず、ずるずる沈んでいった。3人の子供たちに助けを呼んだが、なかなか助けてくれず、最後に30分猫の前で祈って、自分はけどものだというのなら、許してやると言った。

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怖くない3くらい

ただし、不気味な話だね。子供には、子供のルールがあるということかな

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死後の恋

死後の恋  夢野久作  昭和3年作

シベリア出兵に行っていた日本軍兵士が、元白軍(ロシア革命後、革命軍の赤軍に対して反革命軍が白軍)の兵士と思われる浦塩のきちがい博士と言われる男から話を聞いてくれるよう頼まれた。その話とは、白軍での行動時、ある貴族の男と知り合いになり、その男はロシア皇帝になんらか関係のある宝石を隠し持っているのを見せてくれた。ある作戦時、その男は機関銃で太股打ち抜かれ、仲間の兵士たちと別れてしまったが、その仲間の兵士たちが行った先で、赤軍の兵士の待ち伏せに合い。捕らえられ無惨に殺されてしまていた。男は宝石のことを思い出し、その戦場跡に行き、宝石を持った男を捜した。果たして、宝石を持った男は見つかったが、その男は女性だった。内ポケットに隠していた宝石は腹に銃弾を撃たれた跡の血と内臓の中から見つかった。きちがい博士はその死んだ女が自分のことを好いていたに違いないと確信し、その女性こそはアナスタシア皇女だったのだと思い。なので、日本人兵士にこの宝石を、彼女との「死後の恋」の証としてもらってくれと言った。日本人兵士はその男の話を無視して立ち去った

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余り怖くないし、出来のいい話でもないね。3くらいか

アナスタシア皇女伝説はいろいろあるね。ディズニーでもアニメ映画化されているね。

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利根の渡

利根の渡  岡本綺堂 大正14年作

利根川に座頭(目が見えない)がいつも岸に立っていた。船が着く度に野村彦右衛門と言う者、の消息を聞いていた。渡し小屋に住んでいる平助爺さんは、座頭を不憫に思い。自分の小屋に住むように薦めた。そして座頭と平助は一緒に住むようになった。座頭がある時病気になった。もう助からないと思い。自分が何故盲になったか語った。野村彦右衛門というのは元の主人で、座頭が主人の妻の横恋慕してそれを咎められて、両目を潰されて放逐されたのだったと。座頭は仇と思いここで待っていたのだと。翌日死が近いと思い、自分の首に針を刺して死んでいた。それから数年後、利根の渡で野村彦右衛門というものが、船から落ちて溺れ死んだ

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余り怖くない4くらい

当時、主人の妻に恋の告白をするというのは、異常なことだし、それに対する両目の一突きというのは、残酷だけど、それを根にもって付け狙うというのも異常事態だね。まあ、人間の執念恐るべきというところかな

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三浦右衛門の最後

三浦右衛門の最後  菊池寛  大正五年

三浦右衛門は、織田信長によって滅ぼされた今川家の当主の寵愛を受けた小姓だった。主家滅亡時に城から逃げてきたのだった。河原で遊ぶ子供たち逃げていこうと思っていた高天神城への行き方を聞くと、子供たちにバカにされ、その近辺の若者には、捕られたたが、武士らしからぬ命乞いをして、なんとか高天神城にたどり着いた。そこの城主は取り敢えず、日和見をしてそれなりに歓待したが、駿河で右衛門が主家から逃亡したと分かると、その城主は右衛門を殺そうとして、目前に連れ出した。そこで右衛門は命乞いをした、腕一本切ったら許してあげようと言うと。それでもいいというので腕を切られた、それでも城主は殺そうと思っていたので、もう一本切られたいいだろう。と言うとそれでもいいといい、そのように腕、足を次々と切られ、最後に首を刎ねられた

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何かしらないけど、これは怖い現代的な怖さではないけど、確かに怖い話だ

武士道とは死ぬことをみつけたり。なんていうけど、物凄く残酷なことなんだとこの話を読めば分かるね。武士道の綺麗な側面ばかり強調されているけど、グロテスクで残酷な側面も見逃すことはできないね

可愛そうな三浦右衛門。寵愛を受けたといっても自分の責任ではないのに、惨たらしく当時の世相では殺されなくてはいけなかったのだね。この話は大正五年作。大正デモクラシーの世だから発表できたのだろうね。これが時代がもう少したてば、もう世相はこのような話を許さなくなっただろうね。

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剃刀

剃刀  志賀直哉  明治43年作

床屋の芳三郎は、剃刀の腕を見込まれて、親方の3人の弟子から選ばれて親方の娘と結婚して後を継いだ。一人の兄弟子はずっと芳三郎を支えてくれたが、もう一人の兄弟子がいったん芳三郎の下を離れて、戻って来てから、唆かされ、二人して店の金を使い込んだので、芳三郎は、二人とも頸にしてしまった。秋の皇霊祭前の忙しい時期、芳三郎は風邪を引いてしまった。店は忙しく、若い弟子は頼りにならず、芳三郎ではなければ出来ない仕事がたてこんだ。店の閉店前、芳三郎一人になったところで、若い男がやってきた。その男は、女郎屋に行く途中に身だしなみを整えようとしてきたみたいだった。風邪でふらふらする中、剃刀を扱っていた芳三郎は、今まで客を傷つけたことないのに、少し切ってしまった。男は寝込んでいて気がつかないみたいだった。そこで芳三郎は、その瞬間きれて男の喉に剃刀を刺してしまった。

恐怖度チェック

これは怖い。7くらいあげてもいいのではないか。でも怖さの質が、怪談とかではなく、近頃話題のきれる若者と一緒の感じだね。明治43年にも人はきれることがあったのだね。今だけの専売特許じゃなかったんだ。

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剣を鍛える話

剣を鍛える話  魯迅  1927年作

眉間尺という若者は、母から父の敵討ちするように言われた。父は、王妃が産み落とした鉄の玉を鍛えてふた振りの剣を作った。雌剣のみ献上し、雄剣は恐らく献上後、これ以上の剣が出てこないように殺されるだろうから、生まれてくる息子に敵討ちの為に残すと言われたと。果たして、父は帰って来ず、眉間尺は敵討ちのため旅立った。眉間尺は、黒い男と知り合った。黒い男は、眉間尺の剣とその首があれば敵討ちができるから自分を信じて欲しいと言い、眉間尺の首を刎ねた。そして、奇術の出し物として王の前に出た。黒い男は、眉間尺の首を水槽に入れ、水槽の中をよく見えるように王に言い、近くに来たところ王の首を刎ねた。水槽の中で、眉間尺の首と王の首が争った。眉間尺が不利とみた黒い男は、自から首を刎ね、水槽の中に落とし、二つの首が協力して王の首にとどめをさした。三つの首は傷だらけになり、見分けがつかなくなった。そこで、お棺には王の胴体と三つの首が入れられた

恐怖度チェック

怖い話というより、変な話だね。恐怖度3くらい。

ここでは、敵討ちしようとする者自ら死んでしまって、どうなるかと思ったけど、最後に敵討ちできてよかったね。という話だけど、敵討ちのみのために生まれたような若者は、ある意味、因習の犠牲になった悲劇で、くだらない社会因習告発の小説なのかも

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