手紙

手紙  モーム 1926年作

ジョイス氏はクロスビー氏から、クロスビー夫人の弁護の依頼を受けた。クロスビー夫人が、ジョフ・ハモンドと言う男がいきなり襲ってきたので、机にあったピストルで咄嗟に撃ち殺してしまったということを、立証して欲しいとのことだった。裁判は簡単にけりがつくはずだったが、クロスビー夫人からハモンドへ事件前に出した手紙の存在があると分かり、この手紙はハモンドの愛人のところにあると分かった。ジョイス氏はクロスビー氏に相談して大金でその手紙を買い取り、裁判も晴れてクロスビー夫人の無罪を勝ち取ることができた。しかし、判決後、ジョイス氏にクロスビー夫人は真相を述べた。それは、ハモンドとクロスビー夫人はずっと前から愛人関係で、ハモンドに本命の彼女が他にいると知ったクロスビー夫人が、嫉妬の余り殺してしまったということだった。そして、クロスビー氏もそのことを薄々気付いているとのことだった。

悪人度チェック

クロスビー夫人は、悪人だ。ぬけぬけいろんな人を騙したね。でも悪人度としては、場当たり的なので、3くらいしかやれないな

ここでの悪人のテーゼは、悪人は堂々としているといったところかな

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停車場で

停車場で 小泉八雲 明治29年

福岡からの熊本へ重罪犯人が護送されてきた、その男は以前強盗時の逃走中警官を殺したのだった、熊本駅に着いたとき、警部がある女の名前を呼んだ、すると幼い子供を背負った女が現れた、警部がその女が以前お前が殺した警官の女房だと言った。すると重罪犯の男は、その幼子に罪の許しを請うたのだった。八雲はそこに崇高な裁きを見たのだった。

悪人度チェック

悪人度チェックできません。

もう罪を悔い改めて人間は悪人の範疇に入らないのではないかな。

この作の前に、このアンソロジーに納められた、谷崎潤一郎の「或る調書の一節」は、悪人の心を警察の調書の形で描いた小説で、悪人の心を描いただけのものなんだけど、非常な傑作。こんな小説あるの知らなかったね。

ただし、調書の形なので、要約不可能。是非読んで見てください。

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ナイチンゲールとばら

ナイチンゲールと薔薇  オスカー・ワイルド(1854-1900)

ある学生が、少女に恋をして、踊りに誘ったが、少女は赤いばらを自分にくれたら、踊ってあげると答えた。学生の家には、ばらの木はなく、近くにも赤いばらは見当たらなかった。その会話を聞いていたナイチンゲール(ツグミ科の鳥美しく鳴く)が、同情をして、自分が赤いばらを探してあげると思った。しかし、なかなか見つからず、最後は自分の命の血を代償に赤いばらを作って、学生の庭にもたらしたのだった。学生は翌朝、この赤いばらを持って、少女の下に行ったが、少女は既に宝石を他の者からもらっていたので、そんな赤いばらなど見向きもしなかった。学生は絶望し、恋なんかより哲学だと哲学の本を引き出してきたのだった。

悪人度チェック

ワイルドの作品だけあって、「幸福な王子」みたいな話だね。

ここでの悪人はこの少女ということになるのだけど、この少女悪人にしたら世の女性の大部分が悪人になってしまうやんけ

悪人度を測るのは、出来ません

でも。こうも言えるかも、少女は悪人なのと、これも悪人のテーゼに入れておこう

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桜の森の満開の下

桜の森の満開の下  坂口安吾 昭和22年

鈴鹿峠に一人の山賊が住んでいた。ある時、旅人を襲い殺した男の妻を見ると、美しい女だった、男は魅せられ自分の女房にしようとした、自分の家の帰ると、その女の指示に従い、今まで女房だった7人の女のうちビッコの女を除いて全て殺してしまった。女は贅沢だったが、男は必死で女の欲求に応えようとした、そして女が都に住みたいと言ったので、都に移り住んだ。そこで男は、沢山の人を殺し、強盗をして、その女、ビッコの女、と暮らした。女は、死人の首をおもちゃにして遊ぶのを好んだ。男はいろいろな身分の男女の首を女のために持っていった。男はこの生活に暫くすると退屈して、女を連れて鈴鹿峠に帰ろうとした、桜の森の気の下で、女をおぶって通り過ぎようとしたとき、突然、女が鬼になった気がして殺してしまった。

悪人度チェック

こんな日本文学の屈指の名作の要約なんて出来ません。でも、してしまったね。

粗筋にしたら、何がなんだか訳の分からない話だしね。細部の行間を読む小説なので、気になる人は勝手に読んでください。

悪人の定義に。この山賊の男も、その首をおもちゃにする女も当てはまらないような気がするね。好きなように生きている人たちだものね。狼や熊は殺傷するけど、それは生きるためそれであって、悪意があってしている訳ではないしね。この男女にも悪意は感じられないものね。

桜の花の下は、何か人をそわそわさせるものがあり、それは人知では計ることができない力が働いている。そのようなことがテーマの小説だと思われるので、悪人の条件には当てはまらない話だね。あえて言うなら悪気なく悪いことをする人がいるらしいといったところか

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光る道

光る道  檀一雄 昭和31年

平安京の衛士の竹柴ニ小弥太は宮廷警護の火焚きとして徴用されていた。衛士の仕事が合わずいつもぶらぶら歌などを歌って過ごしていた。あるときその歌を聞いた宮廷の姫君が、面白いと思い、竹柴ニ小弥太に自分を連れて逃げてくれと頼んだ。翌日待ち合わせの場所に行くと姫君がいて、竹柴ニ小弥太は姫君をおぶって逃げた。逃げる途中で、姫君が腹へったというので、ある民家に入った。そこには誰もいなかったので、勝手に上がり、粟などをそこで食した。そして、竹柴ニ小弥太と姫君が家の外の出てみると若い男女がいた、男は物盗りと思い襲いかかってきた、竹柴ニ小弥太は男を咄嗟に殺してしまった。女は逃がしてやろうとしたが、やはり殺してしまった。

悪人度チェック

これは、ただのやんごとなき人と身分の低い者との恋の逃避行の話だね。夫婦者を殺してしまったのは、頂けないが、悪人の定義の範疇に入らないような気がするね。

このアンソロジーは悪い奴の話とあるけど、ちょっとズレているような気がするね。

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殺し屋

殺し屋 ヘミングウェイ 1927年作

2人の殺し屋がある食堂にやってきた。彼らは、オール・アンダソンという男が、その食堂にご飯を食べに来たとき殺すのが目的だった。ジョージ、ニックとコックは厨房に縛られて、その2人の殺し屋はアンダソンがやって来なかったので、帰って行った。ニールは彼らが帰った後、すぐアンダソンの下宿に殺し屋が来たことを告げ、直ぐ逃げることを勧めた。アンダソンはもう逃げることは止めたのだと、ニールに言った。ニールは殺人が行われるのが怖くなって、この町から出ていくと言った。

悪人度チェック

この中に悪人は出てこないような気がする。それに全然話に落ちもないし、面白くない。こんな話なぜアンソロジーに入れるのだろう。

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酒樽

酒樽  モーパッサン 1884年

マグロワール婆さんは、元気な年寄りだった。宿屋の亭主シコは、その婆さんの地所が欲しくてたまらなかったが、婆さんがなかなか言うことを聞いてくれなかった。そこでシコは、月々にいくばくかの金を死ぬまで払うということなら、どうだと言った。婆さんは考えこんだ末、月々の金額を増額を認めさせた上で、ついに同意した。3年たっても、婆さんは元気で、いっこうに病気になる気配すらなかった。シコは一計を考え、婆さんを呼びだしご馳走を振る舞い、帰りに酒樽を進呈した。婆さんはその後飲んだくれになり、間もなく亡くなってしまった

悪人度チェック

宿屋の亭主シコが悪人の対象になると思うけど、騙した相手が老婆なんだから、悪人度は3くらいにしておこう。ただ、婆さんの方も、金の増額を求めるという、悪人に付け入られる隙があったのも事実

ここでの悪人テーゼは、誰も、悪人に付け入れられる隙はあるというところかな

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異本「アメリカの悲劇」

異本「アメリカの悲劇」  ジョン・コリア

有る青年が、歯医者に行き、自分の歯を全て引っこ抜くのを頼んだ。青年は抜けた歯に入歯をさして、自分の金持ちの伯父の所に行った。その伯父は自分の財産の全てを田舎医者に譲ると言っていたので、殺してしまい、自分が歯を抜けた伯父に成りすまそうとしたのだ。体よく伯父を殺し、弁護士に遺言書の書き換えを依頼するため、その家に詰めていた看護婦に言って待っていると、やってきたのはその田舎医者で、体の検査だと無理矢理注射を打たれ青年は殺されてしまった。

悪人度チェック

この青年も、田舎医者も看護婦もみんな悪人だね。まあ青年は、詰めが甘いので、5くらいにしといて、田舎医者、看護婦は8位かな

若い看護婦を使って、年寄りを籠絡し、やって来た甥も、簡単に殺してしまう。恐ろしい奴だ。ここでの悪人のテーゼは悪人は悪人を呼ぶといったところかな

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コーラスガール

パーシャはコーラスガールで、客としてコルパコフという男をとっていたとき、戸を叩く音がして出てみると、そこに見知らぬ婦人がいた。その婦人はコルパコフの妻だった。コルパコフが会社の金を使い込んだことを知らせに来たと言った。そして、その使い込んだ金を返してくれとも言った。パーシャはコルパコフから何も貰っていないと言っても信じてもらえず、その婦人が膝までついた泣きつくので、有り金全て与えてしまった。コルパコフは、妻が帰った後、パーシャがあんたが何をくれたのかという質問に答えず、お前みたいな女に、良家の婦人が膝をついたのは、許せないなどと言って出ていった。

悪人度チェック

これは、短い戯曲などで、要約する必要は余りないけど、無理矢理要約しました。

このコルパコフとその妻は、ぐるだったみたいだね。かわいそうなパーシャと言ったところかな。ここで、この二人は、善人の弱みに上手くつけこんでいるので、6くらいかな

チェーホフはさすが、いいね。鋭さが違うね。ここでの悪人のテーゼは、悪人はみかけによらないというところかな

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夏の愉しみ

夏の愉しみ  アルフォンス・アレー(1855-1905)

主人公は、隣りに住む意地悪い女に対して、いたずらをするのが無上の喜びだった。近所の少年を呼び集めカタツムリを集め、それを隣りの畑に離し、その作物が駄目になるのをみるのとかなどなど、ある日隣りの家の猫に蛍光塗料を塗って、離してみると、隣家にその猫が入ろうとするのを見た女は、幽霊と間違えて驚きの余り死んでしまった

悪人度チェック

これは、悪人じゃないだろう。これは、後味の悪い短編だね。このアンソロジーなんでこんなもの入れたのだろう。

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