豊饒の海
ぶる夫☆さんコメント有り難うございます。
三島由紀夫のこの小説は、今回のチベット騒動の一つの原因のもなった輪廻のことについて書かれた小説ですね。まず、チベットでのことを少し述べると
中国政府はチベット人に対し、2007年8/4の国際ニュースから抜粋してみると
【8月4日 AFP】中国政府は、輪廻転生を続けるとされるチベットの高僧(活仏)が転生する際、政府の許可なしの転生は認めないことを決定した。国営新華社通信が3日、報じた。
新条例は9月1日より発効され、以降すべての転生は宗務課への申請および許可が必要となる。新華社通信によれば、条例は「活仏の転生の管理を制度化するうえで重要な措置」だという。
中国共産党は、信仰の自由を表向きは認めているが、実際はチベット仏教を含むすべての宗教を厳しく規制する。
チベット仏教では、高僧は何度も輪廻転生を繰り返すと信じられているため、活仏の存在は非常に重要視されている。
というような思想統制を行った。このことは宗教を国是とするチベット人たちを著しく傷つけたには想像できる。漏れ伝えられるニュースでさえ、このようなものがあるのだから、外国メディア等が自由に取材しにくかったチベット内では、どれだけの非道が行われてきたかは容易に想像できるはずだ。
たまりにたまったチベット人の怒りが今回爆発したのだと、考えるのが普通だわね。決して意図的にばかり起こされたものではないわね
三島の小説の話に戻すと、
これはこの4部作の語り手である本多繁邦の物語でもあるようだ。
彼が目撃する輪廻というのは幻に過ぎないのではないか。という問題が後半になるにつれ大きくなり、終了時になると、もう輪廻など幻に過ぎないと悟らざるえない。
本多自身、国家の有為の人材になろうし努力し、裁判官になり更に、富みも得る。
普通ならば恵まれた人生なのだが、内面はそうではない。
若かりし時に目撃した悲恋、国家への青年の献身。ああいう激情を目撃した身なのに、自分はこの世に何を為したのか。
そしてその渇望を、晩年に小賢しい青年に利用されて翻弄される老残の身がある。
そして最後に親友のかっての恋人で、この物語の発端になった人に、その答えを得ようと会いに行く。そこで得た答えは、………
そしてあまりにも無残な回答に、輪廻の意味と自分の人生の意味を見つける。
この壮大な物語をこのように閉じていく過程を読むことで、三島の深い絶望を味わえる。
これが余りにも、余りなので、この小説について書こうとする人が余りいないのだね。
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