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愛国の作法

愛国の作法  姜尚中  朝日新書Img7cd0d06fzikdzj


色々取りざたされている姜さんの本を読んだ。

朝日が新書を出すにあたってこの本がバックナンバーの一番というのは、朝日らしいとも言える。

結論は、貶したい人を貶すが、この本に対しては、批判はさせないというもののような気がしたね。

そもそも一般人の教養レベルは、昔と違って著しく後退している昨今。
この本で取り上げられる思想家、丸山真男をはじめ清水幾太郎ほか、ハンナ・アレント、エーリッヒ・フロム。南原繁。その他色々。
こういう人たいの本を愛読する人は、簡単な新書なんか読まないだろう。
対して、ちょっと真面目な学生やひねくれたおっさんが、姜さんの本を手にとっても、姜さんがこの本で取り上げた思想家の本を読んでなどいないだろう。つまりそういう似非インテリは、そんなハードな思想家の本を読みこなしたりはしていない。

つまり煙に巻かれたしまうのだ。

姜さんが批判する中西氏や「国家の品格」の作者藤原氏などは、新書という媒体の読書層を、普通の庶民レベルまで落として、分かりやすく、自分の自論を容易の述べようとしたものだ。更に安部首相の「美しい国」も専門家向けのものではなく、普通の庶民向けに平易に書かれたものだ。
それらの本は、ところどころ穴があり、誰でも簡単に批判できるものだが、その作者たちが訴えたいものがストレートな分だけ、好き嫌いは分かれるが、何かしらの議論も呼ぶし、幅広い共感も得ている。
一般向けの新書らいいものと言えるわね。

翻って姜さんの本は、一般人に容易に批判を許すものではないが、読んでいてどこか居心地がよくないものだ。
「論文に書き方」の作者、清水幾太郎の「愛国心」を元に、諸々の現象を切るところも、自分としてはそうなのかなと思ってしまうね。
あの明晰な文章を書く清水氏の文章を元に、どうしてこんな理解し難い結論を出すのか、

自分は、清水氏の原著を読んだことはないが、どういうものか想像はできる気はする。
それは書かれた時期によると思うのだ。終戦直後、日本は敗戦という大きな挫折をし、戦前の思想を全否定しなくてはいけない状況。そういう世の中がひゃっちゃかめっちゃかであったような時代。
当時の日本は、日本語を使うのを止め、英語やフランス語を公用語のせよなどと言う人がいた時代。そういう混乱期の文章をもって、現代日本の問題を洗い出すのは、無理があるのではないのかな。
もちろん優れた思想は、普遍であるべきだとも言うことができるが、過去の政治状況、国際状況が移ろって行く中でのそれは、限定的なものであると言えるのではないか。
故に、自分には、この本が結論を先に置き、その上に過去の思想をはめ込んでいったもののような気がした。

姜さんは、藤原さんが一般人にもできるだけ分かりやすい書いた本を非難するという行為をしたいのなら、もっとレベルを下げて、過去の思想家の言葉などを使わず、問題点を簡潔に分かり易く述べるべきだろう。

そうしたくなかったなら専門分野で、学者同士でのやりとり限定にするべきではないのか
どっちにしても今の時代においての新書としては、適したものと自分のには思えなかったね。

それとここからは、個人的な感想なんだが、
自分は大阪出身で、中学や高校も在日の人たちが、同級生にいて普通につき合っていた。
しかし、中学の卒業式前、その在日の生徒は先生に、自分たちの置かれている状況を説明し、差別があったと訴えたらしいのだ。自分はそんなにその生徒と仲は良くなかったが、その学年でどうしようもないいじめなどはあったような気はしなかったし、その生徒と他生徒との関係には、問題があったとは思えなかった。
まさしく晴天の霹靂。
全校集会で。その在日の生徒の話が先生からあった。

今から思えば、全国の中で一番友達の敷居が低い大阪人、言葉はきついが、みんなフランクにつき合っていく人たちた。何でも話をしてくれたら、きさくに話し合えるような人たちだ。

高校でも、違う在日の生徒がおり、その生徒は先生に、自分たちの置かれた状況を話をしたらしい。
自分はそこで思ったことは、在日の人たちは、話す人、理解してもらえる人を峻別して話すのではないかということだ。
分かるような人だけに話す。ここでは主に教師ということになるのかな。そして普通の生徒などには、理解して貰わなくても良いという態度を取るみたいだ。

もう一つ気づいたことは、そんなに大きくない問題を、わざと広げているような気もした。
思春期の年齢で、様々な家庭環境の生徒が集まった公立学校で、何らかの問題などあって当たり前なんじゃないのかね

この姜さんの本もそういうような気がした。
理解し、共鳴し合うことができる人のみに伝われば良いという気がした。

まあ庶民は、馬鹿で野蛮だけど、日本人の大半はその無知な庶民なんだし、韓国も中国も無知な庶民が大半だ。
晦渋な理論で、分かる人だけ分かるというものは、お互いの国民の意思伝達には、そんなに役立つものではないと自分は思ったね

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