« ひも | トップページ | 囲碁ソフトあれこれ »

マウントドレイゴ卿の死

マウントドレイゴ卿の死  モーム(1874-1965)

オードリン博士は精神病医だった。マウントドレイゴ卿は患者だった。マウントドレイゴ卿は外相で生粋の貴族で鼻持ちならない俗物だった。自分より身分の低い者を見下す人物だった。マウントドレイゴ卿は、最近変な夢をみて悩まされていた。それは、父親が坑夫だった、オウェン・グリフィスという下院議員がいつも出てきて、マウントドレイゴ卿は恥ずかしい姿を絶えず見られるというものだった。翌日グリフィスに会うとそのことを知っているみたいで気持ち悪いと。オードリン博士は原因をマウントドレイゴ卿がグリフィスに何かしたに違いないと考え、尋ねたが、マウントドレイゴ卿はなかなか答えなかったが、ついに国会で田舎から出てきたグリフィスの両親その他支持者の前で、徹底的に愚弄するような答弁を行ったと言った。後で遣りすぎたと思っていると答えた。オードリン博士はグリフィスに謝罪するよう言った。マウントドレイゴ卿がある時、診察になかなか来なかった。ついに、マウントドレイゴ卿は夢の中でグリフィスを殺してしまい、夢遊病みたいになって駅から転落して亡くなった。実際のグリフィスも急病にかかって亡くなった。

恐怖度チェック

余り怖くないし、感じではちょっと古いネタの話かも 3くらいかな

でも、モームは語りが上手いので、面白い小説になっているね。精清廉潔癖に生きてきたが、他人を自分よりも価値のない者と思っているマウントドレイゴ卿は、叩き上げのグリフィスを内面の深いところで恐れていたのだね。グリフィスも生来の貴族のマウントドレイゴ卿に恐れを抱いていて、その二人は深いところでリンクしたんだね。傲慢と怯懦は最も遠い感情と見られるけど、実は一番近い感情なんだね

オードリン博士の口を借りて、モーム自身が小説家に対する考えを述べているね。それは、

小説の作者たちは、彼等の書く男や女がほんとうにこの通りだと思っているのか?人間がこれほど複雑で、どれほど意外で、彼等の魂の内部にどんな矛盾撞着した要素が共存しており、どんな暗い邪悪な争闘、相克に彼等が悩まされているか、作者たちがもし知ったら!

つまるところ、他人の内面など軽々しく分かるものではないということ。

|

« ひも | トップページ | 囲碁ソフトあれこれ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: マウントドレイゴ卿の死:

« ひも | トップページ | 囲碁ソフトあれこれ »